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映画 『ひろしま』 [映画]

SBSH0755.JPG一昨年、 八丁座のフィルムマラソンでも上映されましたが、去る7月15日 広島県立美術館 で上映され、原作者、長田新氏の奥様、この映画の監督補佐だった小林大平氏の子息で、「奇跡への情熱プロジェクト」代表 小林一平氏もお話に来られました。

原作は長田新著の「原爆の子」広島の少年少女のうったえ という本です。
同じ原作をもとに、新藤兼人監督は「原爆の子」を作りました。


原爆に遭った子供達の体験を編纂したこの本は、こうして二本の映画になりました。

「ひろしま」は1953年に制作、広島に巨大なオープンセットを組んで撮影したそうです。市民のエキストラは8万8千人

監督は関川秀雄 音楽 伊福部昭

出演は月丘夢路 岡田英次 山田五十鈴 加藤嘉 他

非常に大掛かりな作品になり、55年のベルリン国際映画祭 長編映画賞を受賞しました。

話は現代(53年?)から始まります。授業でエノラゲイの搭乗兵士だった人物が、当時を回想するラジオ番組を聞いています。そこには重大な(破壊と殺戮)に向かう兵士の迷いや後悔、恐怖が語られました。途中生徒の少女が鼻血を出して倒れます。被爆者の少女です。

保健室に運ばれた少女は白血病でした。見舞いに来た少年達が、あるドイツ青年の手記を音読します。そこには 「アメリカが日本に原爆を落とし得たのは、黄色人種の国だったからではないか?」「自分が白人だからこそ、敢えてそう感じると白状する」等書かれていました。

それから岡田英次演じる教師と生徒達が、授業で話し合います。被爆者の生徒とそうでない生徒 お互い解り合おうと。

そして あの悪夢の日が凄いスケールで再現されます。血みどろの阿鼻叫喚。建物に挟まれ助け出せないまま炎に焼かれる人達。倒れる馬、熱風を逃れて川に入り力尽きて沈む人達

再び 現代に戻り 原爆孤児の少年が高校を辞めて働いています。が 彼はせっかく勤めた職場が軍需産業になるや辞めて、まだ幼い孤児達を誘って、似島(にのしま)の遺骨のしゃれこうべを観光客に売っているところを補導されます。

この映画は、大手の配給会社から全国展開するはずでしたが、3ヶ所 カットを命じられ、拒否したため大手配給が無くなったそうです。

カット場面とは エノラゲイ 搭乗兵士の回想音声

ドイツ青年の手記の音読
しゃれこうべ販売 の3ヶ所でした。

実際 これらをカットしては価値が半減するでしょう。断固拒否した決断は今では正しかった。

貴重な映画です。
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