1938年『everybody sing』MGM ジュディ・ガーランドのドタバタホームコメディ [Judy Garland]
『everybody sing 』1938年 MGM
ジュディ・ガーランドの出演映画第5作目は、ドタバタホームコメディ?
ジュディの才能がとてつもない可能性を持っていることが、スタジオにも解ってきたこの頃、それでもどこか容姿に半信半疑だった様子で、この映画の最初のタイトルは「みにくいアヒルの子」だったようです。
実はこの容姿こそが、類い稀な魅力の一つで、手の届かない「スター」ではなく自分達と同じ悩みを持ち、同じ様に泣き笑う等身大の人間である。という親しみを聴衆に持たせたのではないでしょうか。
この映画は、今となっては伝説のコメディタレント「ファニー・(ベビースヌーク)ブライス」と対等に渡り合っている天才ぶりを発揮していました。
さて、ジュディは全寮制の学校で音楽の授業中メンデルスゾーンの「春の歌」を先生が席を外した間に、スイングで歌い始め、それを咎められて放校になってしまいます。
やむなく家に帰ると、メイドのオルガ(ファニー ブライス)に驚かれますが、舞台に立っている母親(ビリー・バーク!)は、読み合わせに夢中でジュディが何故家に帰っているのか気にも止めません。
ガッカリして父親の所に行きますが、脚本家の父親も同じ対応です。
姉に救いを求めようとすると、姉は歌のレッスンの最中!
家族の誰もジュディを気にしません。
やむなく、コックのリックとオルガに泣きつきます。「誰も私の話を聞いてくれないの。」
さて、夕食の時放校になった学校から電話があり、初めてジュディが学校を追い出されたとわかります。
「だから、説明しようとしたのに聞いてくれなかったじゃない!」
コックのリック(アラン・ジョーンズ!美声のスターです)はイタリア人オーナーの店 カフェ ナポリで歌っています。
店には、ジュディの姉とその彼氏?が来ていました。そこに「今日は素晴らしいプリマドンナがゲストで歌います。」
と紹介されて出て来たのは!
オーバーオールを着たジュディでした。
ダウン オン メロディファーム を歌います。カフェの客を魅了したのは言うまでも有りません。
姉達とリックと一緒にバスで帰る時も、皆んなで楽しく大合唱!
このシーンは傑作です。
でも、帰宅すると両親はカンカンに怒って、リックにクビを言い渡し、ジュディはヨーロッパの学校に(簡単に帰ってこれないように)入れると決めつけます。
やむなく船に乗り皆に見送られますが。
荷物に紛れて!
さて、カフェナポリではミュージカルステージをやる為オーディションをしています。そこに、黒人の少女が登場してこれまた、皆を魅了します。ミンストレルショーでは白人が靴墨を塗って黒人に扮していました。今では差別問題になるのでしょうが、この頃ではまだ出来たのですね。
でも、リックはジュディだと見破ります。「家に帰らないとダメだよ。帰りなさい」「家には帰れないの、ここに居させて!お願い!」泣きながら訴えるジュディに根負けします。
リックはジュディの姉に恋していました。恋心を伝える為レコードに吹き込んでプレゼントします。
ウットリするジュディの姉
ジュディの両親は舞台の幕開けに大忙しですが、ジュディがヨーロッパに行っておらず、誘拐されたと大騒ぎが始まります。このあたりのドタバタぶりは吉本新喜劇の様です。
カフェナポリのミュージカルステージはついに幕開け!!
リックが「ショーを続けなければ!」を歌って堂々の開幕です。
ここで、あのファニー・ブライスが舞台やラジオで大当たりを取った赤ちゃんに扮して、赤ちゃんの声音で歌います。
絡むのが半ズボン姿で少年の声音で歌うジュディ・ガーランド
舞台が盛り上がった頃、ジュディの両親が居場所を突き止めてドタバタとなだれ込みますが、娘の素晴らしい出演ぶりに感嘆してめでたしめでたし!
母親役のビリー・バークは『オズの魔法使」の良い魔女でも有名ですが、独特の台詞回しと美貌で印象的です。
あの興行王ジーグフェルドの奥さんでもありました。
アラン・ジョーンズは明るい美男で、オペラティックな美声のスターで、息子はジャック・ジョーンズ。後にテレビショーでジュディと共演しました。
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by 吹き替えや字幕スーパーのDVDはありますか? (2019-08-08 11:39)