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マレーネディートリッヒとジャスト ア ジゴロ [映画]

1930年代から60年代頃にかけて映画で活躍した伝説のスター マレーネ・ディートリッヒ
ドイツ生まれで、退廃的な独特のムードに包まれ、ブロンドの髪、100万ドルの脚線美(足に保険をかけていて本当に100万ドルだった)コクトーをして「ローレライのような歌声」と言わしめた魅力的な歌声、同時期のどのスターとも一線を画す個性がありました。
私は、黄金期の映画再上映ブームの頃(何度もあったでしょうが)20歳そこそこの多感な時期で、彼女のデビュー映画「嘆きの天使」(トーキーです)をスクリーンで見る機会に恵まれました。
暗い画面とザラザラした音声で、あまり良さはわからなかったのですが、マレーネの足の美しさだけは理解できました。
伝説の歌声は、まだ若く驚くべきことにソプラノで、録音の未熟もあるでしょうが金属的でキンコン響きます。後年の低く囁くような諭すような歌声からは、ちょっと想像しにくい感じでした。
でも、個性的で一度聞いたら忘れない磁力は持っています。

さて、時ははるかに進みジャスト・ア・ジゴロ 公開は1983年ですが制作は1978年だそうです。
西ドイツの作品で、デービッド・ボウイが主役のジゴロですが、78年といえば当事のマレーネは
74歳くらいです(生年に複数説があるので) 出演シーンはわずかですが、黒いレースのベールで顔を隠し、くぐもった声で台詞を語る姿は往年のファンには泣けたのではないでしょうか?
この映画は、友人がビデオを見せてくれたのですが、マレーネの歌う「ジャスト・ア・ジゴロ」を聞くことができ、声は衰えているもののコクトーのいうローレライの意味ははっきりわかるほどでした。

「ただのジゴロ、毎日起きて寝て、食べて愛して、死んでいく、ただそれだけ 」というような意味の歌詞だったと思いますが、人生の多くを経験し辛酸もなめてきたマレーネの歌には、ジゴロの悲しい哀れな生き様が凝縮されていて、本当に説得力のある2分間なのでした。
思えば、この映画の背景は第一次大戦後にジゴロに身を落とす青年が再びやってくるナチの足音を聞きながら過ごすというもので、ナチス ヒットラーに逆らって母国を捨てたマレーネの生き様と重なるものがあり、それらを経ているだけに尚更説得力があるのでしょう。

私はマレーネのレコードを数枚持っていますが、60歳代でエンタテイナーとして活動していた頃のもので、大変魅力的な内容です。

美貌も脚線美も衰えず、声はハスキーな低音になり、詩の意味を深く掘り下げて表現する独特の歌いまわしは私を深く魅了してやみませんでした。


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ガルボ・アルト

スノーさんは、本当にこと映画の話になると詳しく生き字引のようですね。

私達のグループ名「ガルボ」もスノーさんが命名なさったけど、このグループ名にはどんな意味が込められているのでしょうか?
by ガルボ・アルト (2005-06-05 03:55) 

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