天地真理 恋人もいないのに [天地真理]
天地真理のファーストアルバムを聴いています。
今日は この「恋人もいないのに」にひっかかりました。60年代後半からのエバーグリーンサウンドでしょうか?
楽器の選択でしょうね。アコースティックな楽器の心地良さが耳に染みます。
真理さんは いきなり最高音から歌い始めます。音程の取りにくさ等、ものともせず、爽やかで美しい音色。いきなり引き込まれますね。
そして多重録音のセルフコーラス 不思議な響きで魅力的です。少し内声が低めですが、それが温かい空気を醸し出してます。
アレンジがまた素晴らしいです。
『青木望』 という方のアレンジですが、ストリングスの対旋律がゾクゾクします。
もう10回くらいリピートして聴いています。素晴らしい!
ガルボピアノさんこんにちは!
私も、真理さんの「恋人もいないのに」はとても好きです。
おっしゃるように真理さんの歌手としての実力を感じさせてくれる、良い曲だと思います。
また、さすがはガルボピアノさんですね。
アレンジ(特にストリングス・オブリガート)に耳が向かれるのは・・・
私は、ドラムセットのフロアタムのチューニングに時代を感じていました。
最近は、もう少しピッチを高めにチューニングします。
私もこの曲と次のバタフライのアレンジが好きです。
真理さんがデビューされた頃の日本は、イージーリスニング・オケが人気だったせいでしょうか、バックのアレンジにもかなり気を使われていたようですね。
ポール・モーリア、フランク・プウルセル、レイモン・ルフェーブル、パーシー・フェイス等のアレンジを研究(パクリ)したようですね。
以前にアマチュアのジャズ・コーラスを聴いたのですが、ハーモニーパートの人がメロに近づいて行ってしまい、それを嫌ったメロパートの人が上に避けてしまい、アンサンブル全体がシャープしてしまっていました。
「ハモ・ネプ」は、皆さんこの現象が起きていますよね。
それにしても「恋人もいないのに」のこの凝ったアレンジで歌うのは(ガイドメロが無しですよね。)、何気に難しいと思うのですが、さすが真理さんですね。
by Mr,Scan (2013-03-09 18:41)
MR.SCAN 様
こんばんは、コメントくださりありがとうございます。とても嬉しいです!
私は子供の頃から、メロディよりも内声パートに惹かれていました。中でうごめく音のうねりって、とても魅力的ですよね。何気ないようなちょっとした音に、その作曲家(編曲家)の並々ならぬ音楽への愛情みたいなものを感じます。
スキャンさんは、音楽家でいらっしゃるのですか?視点がやはり違いますね!チューニングのピッチのこととか、凄いお耳だなあ。
私は不勉強で、ドラムのことは全然わかりません。
でも、そうですよね。ティンパニーもチューニングするのだからドラムだって。なるほど!
この曲、イントロからドラムが印象的ですね。
イージーリスニングオケ。そうですね。昔家族でドライブに行くと、ドライブインなんかで流れていましたね。パーシー・フェイスやポール・モーリア
さわやかで、大好きでした。ストリングスが印象的で、マントヴァーニでしたっけ?滝の流れるようなサウンドと呼ばれていたのは。ゴージャスですよね。
確かに、真理さんの曲を聴いていると時代の響きを感じますけど、人間の演奏している温かな魅力は、もうどうしようもなく素晴らしいですね。
テレビの歌番組で真理さんが歌う「ちいさな恋」 真理さんのビジュアルが魅力的なのは言うまでもないですけど、バンドの演奏の見事なこと!
ホーンセクションの合いの手のリズム。痺れました。
当時は、当たり前のように演奏者が生演奏していたんですね。なんという贅沢。しかもみなさん凄腕じゃないですか!
歌番組がすたれたのは、奏者の才能と魅力を軽視したためかなとわかりました。
なんだか、話がそれてしまいました。すみません。
そうですね。「恋人もいないのに」ガイドメロなしで真理さん歌ってますね。真理さんの歌の実力は、聴けば聴くほどわかってきますね。難しそうに歌わない、本物の実力者だと思います。
by ガルボ・スノー (2013-03-10 04:58)
ガルボ・スノーさんへ
私は、音楽家だなんてすごいものではありません。
ところで、真理さんの素晴らしさの一つに、抜群のリズム感が有ると思うのですが、それに気が付いたのもここ2年程前です。
それは、「ひとりじゃないの」の真理さんの歌い分けです。
ガルボ・スノーさんもご承知のように、シングルのアレンジを馬飼野俊一さんで「ライトなスゥイング調」、それに対してLPのアレンジは、森田公一さんで「ポップなカントリー調」と大きく変わっていると思います。
これに対して、真理さんの歌い方も全然違うと思うのです。
まず、大きく違うのは、ビートの位置と質が違うと思います。
LP(森田氏 編カントリー調)=1,3拍目のライトなビート。
EP(馬飼野氏 編スゥイング調)=2,4拍目のウエイト感のあるビート。
と言うように、伴奏のスタイルに反応して、リズム感を使い分けているように感じられます。
さらに、真理さんが天才的なのは、テレビの歌番組の時(必ずと言っていいほど馬飼野版スィング調)には、歌い出しを3分の1拍(スィングの裏拍)前にして歌っています。これは当時の歌番組のバックバンドのほとんどがビッグバンドでしたので、彼らのジャズ吹きに本能的に反応していたのだと思います。
そして、LP(森田版)の時には、声をまっすぐに飛ばし、ビヴラートも細かめな歌い方、EP(馬飼野版)の時には、ジャズ唱法のベンドを使ったり
ビヴラートにもドライヴ感を持たせたり・・・・・・・声のトーンそのものも微妙に変えているようです。
私は、真理さんを美空ひばりに匹敵する天才だと思っています。
拍子の取り方も4分の4拍子をテンポを変えず2分の2拍子に取ったりして歌っているようです。
でもこれらの事を真理さんに話したとしても
「えっ?私、そんなことしていないわよ!」
と必ず、おっしゃると思います。きっと本能で処理していたのでしょう。
これは、お小さい時からのメトロノームを使ってのピアノの練習が有っての事なのでしょう。
そして、少しゆっくり目の曲の時に裏拍の位置が揺れないのも、抜群のリズム感とテンポ感の証しだとも思います。
スミマセン!ちょっと熱くなってしまいました。
ところで、マントヴァーニですが、「カスケーテッド・ストリングス」と言われていました。初来日の時に同じ譜面をN響が練習日に試にやってみたところ、形にならなかったそうです。
長くなってごめんなさい!!
by Mr,Scan (2013-03-10 19:40)
MR.SCAN 様
わぁ!素晴らしいお話をありがとうございます。
真理さんの抜群のリズム感について、私も異論はありません。「ひとりじゃないの」って私も歌ってみたのですが、とてもあんな躍動感は出せないんです。「虹をわたって」も同様です。
この 二つの曲は真理さんが歌ってなかったらヒットは難しかったと思います。「恋する夏の日」もです。真理さんがカバー曲を歌うことはあっても、真理さんの歌のカバーは誰にも出来ないように思います。
私は理論的な話に非常に弱いので、上手く説明出来ませんが、Scanさんのお話、とてもよく解りました。
真理さんの歌い分けも、おそらくScanさんのおっしゃる通り、ご本人の意識しない所にあると思います。伴奏が変われば、その空気の中で自然に変えていける天性の(天才)素質をお持ちなのでしょう。
真理さんのカバー曲を聴くとオリジナルにしか聞こえません。真理さんは楽譜から音楽を生み出す人かなと考えます。だから誰にも似ていない。
私のような凡庸な者だと、耳で覚えて歌うので、どうしてもオリジナル歌手に似てしまいます。でも、真理さんは違う!
真理さんは、どこを切っても『天地真理』オリジナルですよね。
しかも、伴奏に合わせて雰囲気を変える柔軟性もある!天才ですよ。
でも、ご本人はご自分の天才を自覚しているか疑わしいです。本人にとって当たり前過ぎて、天才とわからないんじゃないかな(T-T)
声は出なくなっても天才は失われませんから、必ず今も音域さえマッチすれば素晴らしい歌を聴かせて頂けると信じてます。
カスケーディングサウンド! おお! そうですか! クラシック畑の人はポピュラーを下に見る場合がありますが、とんだ間違いですね。ムードミュージックの楽団はその道のプロですから、N響も練習を重ねてセンスの意識を変えないと、上手く出せないでしょうね。
長文失礼しました。私も熱くなりやすいもので…
by ガルボ・スノー (2013-03-10 23:55)